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私が「かけがえのない親友」に出逢えた理由
キヤノンマーケティングジャパン
2018.10.06 00:00
あなたの人生に、親友と呼べる人はどれだけいるだろうか。一生の宝物にしたいような特別な時間を、どれだけ覚えているだろうか。
20歳で思い切ってカメラを購入したことで、日々が一変した猿楽知佳さん。わずか2年の間に、写真が彼女にもたらしたものとは?

成人の記念に買った1台のカメラがありふれた休日を変えた?!
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「成人の記念に思い切って一眼レフカメラを購入してから、休みの日の過ごし方も出かける場所も、それまでとはまったく違うものになりました」
鹿児島県に暮らす猿楽知佳さんは青春を過ごす大学時代に、ずっとインスタで見ていた憧れの存在、スガユイさんのような写真を撮りたくて、念願の一眼レフを手に入れた。そして、思い切って彼女に連絡を取った。
「一眼を買う前から、友達と遊ぶたびにスマホで写真は撮っていて、そのときから好きだったのが彼女。彼女が使っていたカメラを思い切って買い、インスタから連絡を取ってみたらお返事をいただけて……。近くにお住まいだったこともあり、写真の撮り方からレンズのことなど、いろいろなことを教わりました。オートでパシャパシャ撮ることから、絞り優先、そしてマニュアル。

まったくの素人だった私でも、スガユイさんに聞いたことを実践すると一歩ずつ確実に写真がうまくなっていく実感が持てて、それがすごく楽しくて……」
それまでは買い物に出かけたり、カフェで友人とおしゃべりしたりして過ごしていた彼女の休日は、まさにカメラ漬けになったという。少しでも時間ができれば撮影に出かけ、友人にモデルをしてもらったり、「一週間触らないと気持ち悪い」ぐらいにのめりこんだ。そして気づいたら、写真を通じて繋がっていく人も増えていった。

写真がなければ出会えなかった、新しい友達
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「風景よりも、人を撮ることが好き。見たことのない景色よりも、誰かとそこに行った記憶を写真で残したい」
自分らしい写真の楽しみ方がわかってきたころ、知佳さんには、同じように“カメラ好き”な仲間ができていた。同じカメラを使っていたことで繋がった“かなちゃん”、高校の同級生ながら当時はそれほど話すこともなかったという“ゆかちゃん”、そして年齢は一つ下、SNSで知り合った“やぶちん”だ。
「本当に不思議なんですけど、後にも先にもこんな繋がりの4人はないってぐらい、大好きな仲間が写真を通じてできました。誰が仕切るわけでもなく“朝活だぁ”って、深夜に起きて朝日を撮りに出かけたり、星を撮りに行こうって真冬に夕方から出かけたり。それぞれの休みを合わせるのも大変だったのに、最初のころはそれこそ月イチぐらいで撮影しに出かけてましたね。“今日は着ていくものに白を入れよう”“今日はTシャツがテーマね”なんて決めて撮りにいったり。これまで市内中心で遊んでたのに、行動範囲もすごく広がって。でも、あらためて思い返すと、見たことのないステキな景色を見るより、この4人でいる時間の方が、私には特別だったのかもしれません」
スイカを食べる手元にぐっと寄ったり、時には撮影に集中する友達をこっそり撮ったり、メンバーの様々な表情を写す知佳さんの写真からは“この時間を大切にしたい”という思いが確かに伝わってくる。4人のインスタグラムを覗いてみると、それぞれの世界観を持ちつつも、出会って1年足らずしか経っていないのが信じられないほどの仲の良さが伝わってくる。

離ればなれになる4人。そうだ、写真展にトライしてみよう!
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実はこの4人、今年の夏に地元のカフェでグループ展も開いている。場所代は4人で折半し、プリント代は各自で持ち、思い思いにそれぞれ写真を展示した。
「出会って1年とかで大げさなんですけどね。やぶちんが東京に行くことになって、私も父のいる福岡へ転職予定。みんなと離れ離れになることがわかったら、何か思い出に残ることをしたくなって。“写真展やってみない?”“いいねー、やろう!”って、誰からともなく言いだしてみんなが心から賛成して、すぐにやることも決まっちゃったんです」
あっけらかんとしたトーンで話す知佳さんだが、初めての写真展。“どこでやる?” “どうやったらできる?” “どんなテーマにしたら見る人に喜んでもらえるか”なんて悩みはじめたらキリがないし、そもそも撮っているものに自信がないと踏み切れないもの。1人でもきっとそうなのに、4人でとなると、意見の食い違いだって起こるだろう。しかし知佳さんは“やっぱりこの4人だったからかな”と笑う。
「きっと、いい写真を誰かに見せたいっていうよりも、この4人で楽しい時間を過ごしたいっていう思いがみんなのベースにあったんだと思います。だからテーマも“それぞれが撮った私たち”。最初で最後のつもりだったのですぐに決まりました」
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どこでやるかが決まったら、展示スペースを4等分して、それぞれが写真を選ぶことにしたという。でも、4人が集まれる時間は限られているので、SNSで意見を聞いたりしながら、現像やレタッチなどは各自で時間のあるときに行う。基本的には、自分のことは自分でやるというスタイルだ。
「ルールとかで決めているわけでもなんでもないのに、それぞれの写真を見ても誰もネガティブなことは言わないんです。“ここがいいよね”“こっちもいいよね”って」
夜な夜な写真を選んだり、複数のプリント屋でプリントしたり……、大変な作業もあったが、4人の思いが一緒だったので、全てをポジティブに楽しめたという。
写真を通して知り合った4人には、同じ写真にたくさん収まっていくなかで、自然と信頼関係ができたのだろう。写真展に向けての意気込みも“4人ならなんだって楽しめる”、そんな気持ちだったのかもしれない。4分割されたスペースに展示されたそれぞれの写真は各自で選んだとは思えない一体感があり、コーヒーを楽しみに来るお客さんの目に留まり、それぞれの友人知人からも好評を得た。その結果、この4人の写真展は随所からアンコールの声を呼び込み、“ホントにこれで最後”という2度目の写真展を、今度はアパレルショップで開くことにもなった。次のテーマは“花と女の子”だ。

今を大切に残す写真は時間とともに輝きを増していく
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「写真を撮るようになっていろいろな人たちと出会ったし、いろいろな場所にも行きました。写真展のように、これまでしたことのなかった体験もできたし。カメラは私に“自分の世界が広がってること”を教えてくれるもの。そして同時に、今しかない時間を大切にすることも学べました」
 写真に没頭した学生時代を経て、現在は地元で医療事務として働く知佳さん。彼女にとって写真の価値は、SNS上のコミュニケーションツールという現代の22歳らしいものと、“大切な一瞬を残す”というカメラが発明された初期からずっと変わらない普遍的なもの、その両方だ。
「写真をはじめてまだ2年。もっともっといろいろな写真を撮ってみたい」
最近は身のまわりのふとした日常風景をフィルムで撮影することもはじめたという知佳さん。“今しかない時間”を、自分らしく写真に残していくためだ。
「かなちゃん、ゆかちゃん、やぶちん。これからもいろいろな人に出会っていくと思うけど、この3人と写真仲間になれたことが本当に嬉しい。今3人に伝えたいことがあるとすれば、やっぱり感謝。ほんっとうに楽しい時間をたくさん、ありがとう」

例えば10年後。20年後。30年後。それぞれ大人としての道を歩んだ後でこの2年間で撮った写真を見返したとき、これらの写真はどんな風に、彼女たちに映るのだろう。
「きっと私の中で、写真におさめた記憶は、そのときのまま、ずっとずっと残っていくんだろうと思います」
“今しかない時間”をきちんと写真に残していくことは、未来の自分や大切な人の楽しみをつくっていくことでもあるのだ。
(プロフィール)
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猿楽知佳(さるがくちか)会社員
鹿児島県で医療事務として働く22歳。成人の記念に一眼レフを購入し、以来友人と積極的に写真活動を行う。地元鹿児島のカフェと洋服店で二度写真展を開いている。